うつ病・自律神経失調症 治る人 治らない人
第3章 自律神経失調症・うつ病の原因 ストレスとは

なぜ、ストレスを四つに分類するのか?(本書のメインテーマです)

 一口にストレスといってもそれが四つに分類できることをお伝えしました。
しかし、なぜ、わざわざ四つに分類するのでしょうか。
それは、確実な対策を行うためです。

 

 多くの方は自律神経失調症やうつ病がストレスからきていることを何となく知っています。
しかし、「ストレス=精神的ストレス」と勘違いしている方が多いため、対策に限りができてしまうのです。

 

 例えば、精神的ストレスは少なく、構造的ストレスや化学的ストレスが多くて自律神経失調症やうつ病になっている場合に、一生懸命に精神的ストレスをなくそうとして、セラピーを受けて生き方を変えようとしてもそれはまったく無駄になる可能性があるからです。
この場合、原因は精神的ストレスではなく、構造的ストレスや化学的ストレスなのですからね。

 

 ストレスが自律神経失調症やうつ病の症状を出す過程をわかりやすくお伝えします。
この4種類のストレスを受けると、積み木のように積み上げられます。
ある程度積み上がると自律神経失調症やうつ病の症状が出てくると思ってください。
ここでは仮に10積み上がると症状が出ると仮定します。

 

 例えば、今のあなたのストレスはこんな状態だとします。

 

あなたにはいつも足を組み、斜めに座る癖があるため、姿勢や骨盤がゆがんでいるとします。
すると構造的ストレスが発生します。
この構造的ストレスのレベルが4ぐらいだとします。
ここではあなたの脳は少しストレスを感じはしますが、まだ症状は出ていません。
疲労感もなくやる気もあります。

 しかし、あなたは偏った食事をしていたため、化学的ストレスが3ぐらい加わります。
さらに、思った以上に寒い日が続き、温度のストレスが2ぐらい加わりました。
そうすると、全部のストレスレベルを合わせると9になります。
そこに、ほんのささいな精神的ストレスが起こったとします(例えば人間関係のトラブルなど)。

 

 この時、この精神的ストレスレベルがたとえ1でも全部で2に達してしまうので、残念ながらあなたにはいろいろな困った症状が出てきてしまいます。
たとえ精神的ストレスを1しか感じていなくとも、ほかのストレスが多くかかっていたので、自律神経が非常に狂いやすい状態だったのです。

 

 症状が出ると多くの人はあわてて対策をしようとしますが、「ストレス=精神的ストレス」と思っている限り、たとえ精神的ストレスをなくせたとしても、まだ9のストレスは積み上がっているままです。
通常暮らしていれば、1ぐらいの精神的ストレスはありますので、あなたは何かちょっとした精神的ストレスがあるたびに、すぐに症状が出てきてしまうのです。
つまり、あなたは「自分は精神的ストレスに弱い」と勘違いしてしまう可能性があるのです。

 

 この場合、ストレス度合いが1しかない精神的ストレスを何とかしようとするよりも構造的ストレスの4や化学的ストレスの3をなくすための対策をしたほうが明らかに回復していくのです。