うつ病・自律神経失調症 治る人 治らない人
第1章 自律神経失調症・うつ病の存在理由

ブレーカーが落ちた時、あなたならどうしますか?

 あなたは電気のブレーカーが落ちた時、どうしますか?
おそらく何か一つか二つ、電気製品のスイッチを切ってからブレーカーを上げると思います。
もし電気製品のスイッチを切らなかったら、ブレーカーを上げてもまたすぐに落ちてしまいますよね。

 

 しかし、あなたは体のブレーカーが落ちても「がんばり」のスイッチを一つも切らなかったのではないですか?
なかには「もっとがんばらなきゃ」と思い、今まで以上にがんばった人もいるかと思います。
これは電気製品のスイッチを切らずに、ブレーカが落ちないように手で押さえているようなものです。
これでは病気にならないほうがおかしいですよね。
うつ病や自律神経失調症というのは、心と体のブレーカーを落として、あなたの心と体が壊れないようにしている状態なのです。
これが自律神経失調症やうつ病の存在理由です。

 

 自律神経失調症やうつ病にならなかったら、あなたはきっと、死ぬまでがんばり続けてしまったでしょう。
現に仕事などをがんばり続け、残念ながら過労死してしまう人だっていますし、うつ病になり自殺してしまう方もいらっしゃいます。

 

 うつ病や自律神経失調症の方には、「この病気にならなかったら今頃……」とこの病気を恨んでいる人もいるかと思います。
しかし、あなたのうつ病や自律神経失調症は、あなたが死んでしまうことを止めてくれているのです。
ですから、あなたは自律神経失調症やうつ病を恨まずに、「助けてくれてありがとう」と感謝しなくてはいけないぐらいなのです。

 自律神経失調症やうつ病の症状は、あなたを苦しめるのが目的ではありません。
あなたの命を守ることが目的です。
確かにストレスが多い生活を強いられていたら、自律神経失調症やうつ病になっても不思議ではありません。
自律神経失調症やうつ病になるまでがんばれた自分自身をほめてあげて、今はその「がんばり」のスイッチを切ってみませんか?