更新日:2022.07.21
執 筆:整体師 田島健次
皆さん、他人の「苦しさ、痛み、寂しさ、喜び、楽しさ」を感じる力はありますか?
他人の状況、感情を感じる力が弱っている人は、ストレス過多になり、自律神経が乱れてしまう可能性があります。
感じる力を分かりやすくいうと、「共感」する力です。
共感とは、他者の経験したことを自分自身に取り込み感じる力です。
人には生まれながらに備わった能力で、人間関係を社会、地球規模で良好にするための重要な力なのです。
混沌とした今の時代には、とても必要な力ですね。
共感には大きく分けて3つあります。
身体共感とは、他者の肉体的な感覚を感じること。
例えば、スポーツ選手が怪我をした瞬間に、「痛っ」と言ってしまうようなことです。
情動共感とは、他人の感情を感じること。
感じ過ぎると、共感疲労になるので注意が必要です。
怖い事や、悲惨なニュースを観て、自分の身に起きたものだと感じてしまうのも同じです。
認知共感とは、簡単に言うと「読心術」です。
実は共感能力が低い人は、自分の感情、身体の苦痛を感じる力も低いので、気がつかないままに不快な感情、身体疲労が溜まり、自律神経が乱れて体調不良になることもあります(逆の場合もあります)。
この様な状態は、失感情症、失体感症といわれます。
医者、看護師、カウンセラー、セラピスト、整体師などのお仕事をしている人の中に、共感能力が高く、多忙で、空腹感、排泄、睡眠などの自分の体の反応を無視してまで仕事、患者さんの対応をして、自分自身の体を壊してしまう人がいます。
医者の不養生ですかね。
共感できることは、素晴らしいです。
しかし、過剰な共感は、疲労、燃え尽き、引きこもり、無気力になりますので、注意が必要です。
いかがでしょうか、少しは共感する力の大切が分かっていただけたでしょうか?
正しい共感はストレスを減らし、心と体が整い、人間関係が円滑になります。
もっと視点を広げていくと、一人一人の共感する力が強くなれば、相手を攻撃したり(戦争)、非難したり(誹謗中傷)することが無くなり、平和な社会、世界になるのではと感じています。
最後に1つ。心理学教授「ダッカー・ケルトナー」の研究です。
「支配権力を持つ者は、まるで脳に外傷を負っているかのように衝動的でリスク認識が甘く、ことさら顕著なのは他者の視点でものごとを見る力が劣っているということだ。」
この言葉の意味がわかりましたか?皆様の身近にもいませんか?