心と体の勉強会 音声テキスト

自殺をしたいと思うのはなぜか

2019年8月開催 心と体の勉強会 音声テキスト No.7

目次

  1. 自殺の領域
  2. ストレスに抵抗するのは、体力と情緒的サポート・対処能力・自己尊重感

16.自殺の領域

参加者:「自殺って、交感神経、副交感神経、フリーズの考え方だと、どこの領域に当てはまるんでしょうか」

交感神経とフリーズの間の領域です。
自殺って殺すって書きますね。
自分を殺すってね。
でも、本当に殺したいのは自分ではないんですよ。誰かなんです。
でも、誰かを殺してはいけないって私達は教わっているので、そういう枠組みを守ろうとするんです。
ですので、人を殺しちゃいけないから自分を殺すというカタチになるんですね。
自傷行為もそうですね。本当は自傷行為というのは、感じられないからするという人もいらっしゃいますが、人を傷つけたいんだけど、人を傷つけちゃいけないから、自分が悪いんだっていって、過度に自分を攻撃してしまうっていう事があるんですけど、それは、副交感神経では起きないんですね。交感神経のギリギリのとこで起こります。
希死念慮は交感神経のアッパーで起こると思って下さい。交感神経のギリギリ。

参加者:「実際自殺するのはどこになりますか?」

交感神経とフリーズの間の領域ですね。人によって違いますけど。
フリーズの領域になったら自分からは動けないので。
うつの人達って、悪くなっていきますよね、どん底のうつの時は自殺しないんですよ。
出来ないんです、動けないんです。
そこからちょっと良くなって、自分が動けるときに自殺を考えてしまう人がいます。
でも、自殺を考えてしまうのは色んなストレスもあるんですけど、そうしたストレスを支える4つのものがあります。
支えるものがなくなったときに、人は自殺を考えます。

17.ストレスに抵抗するのは、体力と情緒的サポート・対処能力・自己尊重感

支えるモノを数式みたいに表すと、体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)です。

体力とは自律神経の力です。
つまりまず、自律神経の力がないと、どうにもなりません。
自律神経の力を高める必要があります。
だから、ゆっくり休むというのも重要だし、筋肉を動かす、声を出すというのも重要ですね。

情緒的サポートというのは簡単に言うと、自分の事を分かってくれている。自分の愚痴を聞いてくれる。そういう方の存在だったり。

あと対処能力。そのストレスに対処する能力があるかないか。なかったら、身につけられるかどうか。
身につければ、4つのストレスがどんどん大きくなっても、分母が大きくなれば、ストレスに強いっていう事になるんです。

自己尊重感というのは、自分の好きなところ、良いところを思い浮かべて下さい。
10個程度パッと想い浮かぶと、自己尊重感が高い。
ところが、自分の悪い所ならいっぱい出てくるけど、自分の良いところがでないのは自己尊重感が低いのです。
これは日本の文化的なモノ、教育的なモノがあるので、ここは修正した方がいいです。
なぜかというと、自分のいけないところを反省して、それを直していきましょうというのはとってもいいことなんですけど、自分の悪い所をフォーカスすると共に、自分の良いところも同じくらいフォーカスしてあげないとダメ。

簡単にいうとストレスに弱くなっちゃうんですよ。
4つのストレスを少なくするという事が、一番最初にやらなければならないことで、我々がアドバイスして、構造的なモノを直したりだとか、頭蓋骨がちゃんと動くようにしたりだとかします。
そこで終わっちゃうと、多くの人が、早い内にまた戻って来ちゃうんですよ。
つまり、体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)をあげていかないといけないんですよ。
自律神経の力を高める治療をやったり、情緒的サポート、うちのスタッフには愚痴でも何でも、真摯に聞くように教育してますので、どんなくだらない事でもちゃんと聞いてくれるはずです。
対処能力は、うちでは心理的なアプローチとかもスタッフに教えていますので、色んな社会的な対処能力を上げる必要があります。
自己尊重感、そのうちみなさん言われます。自分の良いところを30個書いて、次回までに持ってきて下さいとか。
そういう事で、少しずつこういう能力を高めていくと、ストレスに強くなるんです。

ここが一番重要なところです。直すためにはストレスを一回下げなきゃいけない。
例えば、休職する人もいる。休学する人もいる。
仕方がない。でも、ストレスを減らして、体調が良くなっても、ストレスが増えたらどうでしょう。復学、復職してまた病気になってしまったら意味がない。
だから体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)をちゃんと高めてあげなきゃいけない。
ここの一番重要なポイントとしては、自律神経をいかに高めるかっていう事。
自律神経が高くなったら、自然と自己尊重感持てるようになりますよ。
対処能力も、自律神経を高めれば、それが対処能力に繋がるんですよ。

まぁ、こういったカタチで、4つのストレスというものが存在して、それに平行して体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)というものが存在して、4つのストレスが高まっちゃうときもあるので、体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)を高めておく。
昔、スチュワーデスの患者さんでこういう方がいました。私はそんな事いっても、どうしたって気圧の変化があるし、乾燥しているし。じゃあ体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)を高めていきましょうって。
ストレスの高い仕事だと、体力(情緒的サポート×対処能力×自己尊重感)を高める必要がある。

参加者:「筋肉運動が大事だと思うんですけど、例えば症状が強く出ているときにでも、そういうのはやった方がいいんでしょうか?」

状態によります。
具体的に、どんな症状とかってありますか?

参加者:「胸苦しいとか」

胸苦しいだったらやっても大丈夫です。
やったほうがいいのは、胸苦しいとかもそうですし、めまいが良くなりかけた時だとか、めまいしててもある程度立ったり出来る状態。

参加者:「やっちゃいけないのはどういう時ですか?」

やっちゃいけないのは、例えば、立つことさえも困難だとかうつの中程度の状態とかだったらやらない方がいいです。
だからね、お風呂に入っただけで疲れちゃうだとか、そういう人に運動させてもいいんですけど、そのあとぐったりしちゃうので、大変だと思うので、エネルギーの量次第ですね。
まだ、エネルギーを貯める方が先です。