更新日:2019.07.19
執 筆:整体師 田島健次
皆さん今は満足ですか?幸せですか?
ちょっと気持ち悪い問いかけですみません。
「自己尊重感・自己肯定感があると、ストレスに対応しやすくなる」と、当院に来ている患者さんは聞いたことがあると思います。
自己尊重感・自己肯定感は、「自分を大切に思い、尊重・肯定すること」という意味を持っています。
実は、自己尊重感・自己肯定感が高いと、自律神経では副交感神経が優位に働きます。
副交感神経が優位なると、良い睡眠をとりやすく、疲れた体を回復・修復する力が多く働いて、次の日も元気に目覚める事が出来ます。
そのため、自己尊重感・自己肯定感があると、自律神経の状態も良くなります。
「自分の事が好きですか?」と言われた時に、「好きです」とすぐに答えられることは素晴らしいことなのです。
(過剰にならなければ…)
では、自己尊重感・自己肯定感を高めるには、どうしたら良いのでしょうか。
その様な本やセミナーなどが多く出ていますが、知識やトレーニングで上げる事も重要です。
私の勝手な解釈では「今が満足して幸せと感じている」と、自己尊重感・自己肯定感が高くなると思っています。
冒頭で「幸せですか?」と問いましたが、幸せはいつ感じるでしょうか。
行動経済学者のダニエル・カーネマンは、幸せについて面白い実験をしています。
「今を楽しむ・楽をして得られる幸福感」と、「苦しい事を経験しながら乗り切った自分を 振り返ってみる満足感がもたらす幸福感」は、どちらが幸せと感じるかというものです。
結果は「苦しい事を経験しながら乗り切った方が、より幸福感を感じた」ということでした。
先月の私のメルマガ「現状維持では生活が…」で書きましたが、現状維持の生活で穏やかで楽な暮らしも幸せですが、変化を受け入れチャレンジして「大変だったけど良い経験だった」と思える方が、脳は幸せを強く感じるそうです。
「若い時の苦労は買ってでもしろ」と言われてきましたが、このことなのではないでしょうか?
(私は昭和の教えで育てられましたから… 今は令和ですが(笑))
その人の乗り越えられる範囲であれば、若い時に苦しい経験をさせることも良いのかもしれませんね。
毎日が楽で安心・安定の生活や仕事をしていると短期的には幸福を感じますが、
困難や変化を避け続けていると、
・「楽だけど、もっと何か出来たんじゃないか」
・「このままでいいのか」
という苦しさを、脳は感じてくるそうです。
しかし、頑張り過ぎたり、ストレスが多く自律神経を乱している人は、まず楽な生活を送ってください。
辛い症状が必ず改善すると信じて、休息・治療を続けてください。
辛い症状が回復・改善した時には、「あの時は大変だったな~」「よく自分が乗り切れたな~」と幸福感を強く感じて、乗り切れた自分を褒めて好きになれるでしょう。
その時には、自己尊重感・自己肯定感が勝手に上がり、以前よりもストレスに強い自分になれているはずです。
私がみてきた患者さんの中にも、様々な辛い症状を乗り越えて、復職・転職・起業・結婚・出産・新しい趣味など、やりたかった事にチャレンジしている方が多くいらっしゃいます。
今辛いと感じている方も、改善した時のことを想像して幸福感で心を満たし、副交感神経を優位にして回復を促しましょう。