うつ病・自律神経失調症 治る人 治らない人
第2章 自律神経失調症・うつ病の特有な症状

高血圧・高血糖(糖尿病)

 さて、低血糖も自律神経失調症の症状ですが、高血糖(糖尿病)や高血圧も自律神経失調症の症状の一つといってもいいでしょう。
「私は食事には気を配っているし運動しているから関係ない!」と思う方もいるかと思います。
でもそんな人ほど気をつけてほしいと思います。
確かに運動不足やカロリーの多い食事をしていると高血圧や高血糖になりやすくなります。
しかし、食事も野菜中心で、ある程度運動もしている方でも自律神経失調症になると、高血圧や高血糖になるのです。

 

 自律神経失調症の多くは、動く神経が過剰に働きます。
動く神経は血圧を上げ血糖値を上げる作用がありますので、自律神経失調症になると高血圧や高血糖にもなる可能性があるのです。
低血糖症の方は元気がなくなってきてしまいますが、高血糖や高血圧の方は元気があるまま自律神経失調症になっていきます。
そのため、自分が自律神経失調症とは気づかない場合が多いのです。
そして疲れていても高血糖や高血圧だと見かけの体力はありますのでやればできてしまうのです。
実はこれが怖いのです。

 

 体力がある方でも自律神経失調症やうつ病になってしまうのは、やればできてしまうからです。
体力のある方は、ただでさえ動く神経が働きやすいので、バイタリティにあふれています。
しかも休むことをあまりしないため、動く神経が働きすぎになっています。
高血圧や高血糖は、短期的には元気で動けていても、休む神経の働きがかなり弱っているため疲労回復が遅くなります。

 

 「やればできるけれど疲れている」 この状態はかなり危険の状態です。
決して元気なのではありません。
突然、脳卒中や心筋梗塞で倒れてしまうかもしれませんし、ある時、いきなり体が動かなくなり、あっという間にうつ病になる可能性もあります。
第1章でお話しした「ブレーカーが落ちた状態」になってしまうのです。
バイタリティのある方は、根性があるためエネルギーが底を尽きかけてもギリギリまでがんばれてしまうのです。

 

 後ほど詳しくお伝えしますが、通常、人間の体はエネルギーを使い切る前に疲れ果てて動けなくなるようにできています。
なぜなら最後の残ったエネルギーは、体を回復させるために使うからです。
つまりエネルギーを使い切ると、体を修復するためのエネルギーがなくなってしまうのです。
もともとバイタリティのある方は、使い切れてしまうほどの根性があります。
その根性があだとなってしまうのです。

 

 このような方は必ず、高血圧や高血糖の症状のほかにも、自律神経失調症の症状が出てきています。
それらが見られるようなら、元気に感じていても休養することをおすすめします。
先ほどいったように、その元気は動く神経が過剰に働いているだけなので「偽りの元気」なのです。

 

 特に

 

  • 仕事ができる方
  • バイタリティにあふれている方
  • 若い時から元気だった方
  • 根性のある方
  • 仕事の時間が長い方

 

 などは気をつけてください。