更新日:2021.02.12
執 筆:整体師 田島健次
寒くて外に出たくない時や、コロナで人との接触が少ない時、皆様は他人とどの様にコミュニケーションを取りますか?
SNSを使い連絡する人が多いのではないでしょうか?
Facebook、LINE、Twitter、Instagramは、使用する頻度の差はありますが、現代社会では欠かせない物になっていますよね。
とても便利なツールですが、新たな社会問題になっていることがあります。
「炎上」、「SNS疲れ」。
聞いたことがあると思います。
今回は、SNSで発生する問題を心理学的に見ていきましょう。
SNSを利用する目的は、連絡する手段、自己発信の場、他者との繋がり、ビジネスの宣伝など色々ありますね。
心理的側面から見た場合、SNSは欲求を満たしてくれるものだといえます。
心理学者のアブラハム・マズローの「欲求5段階説」によると、人間の欲求は以下の5段階あるそうです。
自分と同じ考え、同じ趣味の仲間と繋がることは、所属と愛の欲求が満たされます。
自分が投稿したことに対する「いいね」や肯定的なコメントでは、承認欲求が満たされます。
欲求が満たされていれば、SNSでも問題は大きくならないのですが、SNS上では、短期的で満足度が低いのではないかと考えます。
欲求不満になると、人はストレスと感じて自律神経の交感神経が優位になり、闘争&逃走の行動を取りやすくなります。
闘争が過剰になると、SNS上においては人を攻撃するため誹謗中傷のコメントを書き込みます。
これにより「炎上」が発生します。
人は、不安や不満があると、攻撃しやすい対象を探して「生贄」とします。
これは「スケープゴート理論」と呼ばれるものです。
コロナで不安や不満が溜まっているとき、「自粛警察」「芸能人や政治に過剰なバッシング」などが起こるのも、これに当たるのではないでしょうか。
SNS上では、自分と同じ考えを持つ仲間と繋がりやすいです。
このため、思考や視野が狭くなり(エコー・チェンバー現象と呼ばれます)、違う意見や価値観の違うグループを攻撃することで、集団間の対立が起きることもあります。
SNS疲れの典型的なものは、承認欲求を満たすため「いいね」を求めすぎるということです。
「いいね」をもらうと、脳のドーパミン報酬系の神経が活発になり、快感を覚えます。
「いいね」が欲しいために過剰に投稿、「いいね」が少ないと不快になる。
不快を解消したいためにまた投稿するなど、生活の中心がSNSになり、食事、睡眠などを削ってまでしてしまう。
これが「いいね依存症」にあたります。
SNSは悪い物ではありません。
上手く使うことが必要でしょう。
まず自分のストレスや欲求不満を分析して、解消、満たす行動を取ってみてはいかがでしょうか。
体のストレスには、整体、ヨガ、運動。
心のストレスには、カウンセリングを受けたり、信頼できる人に自分の気持ちを吐き出したりしてみましょう。