更新日:2020.07.17
執 筆:整体師 田島健次
7月になりました。
コロナの事がなければ、オリンピック開幕ですよね。
今は仕方ありません。
オリンピックに出る人は、アスリートと呼ばれます。
では、アスリートと呼ばれる人にはどんなイメージがありますか?
例えば、ストイック、ポジティブ、強い、心身ともに鍛えられてる、プレッシャーに勝つメンタルなどのイメージがあるのではないでしょうか。
アスリートとまでいかなくても、スポーツを定期的にやっている人・よく体を動かす人は、明るく前向きな方が多くいる傾向があります。
それはいったいなぜなのでしょう。
また、私たちや病院の方も自律神経失調症やうつ症状の人に、運動をしてくださいね、とアドバイスすることがあります。
その根拠はいったいなんでしょうか?
今回は、運動することによって脳が活性化して自律神経の調整能力が向上し、ネガティブな思考のループから解放されやすくなる事を簡単に説明していきます。
まず、運動をすることにより脳が活性化するということは、脳の可塑性という機能が使われることによって起こります。
可塑性とは、外部からの刺激により適応対応をすることです。
これは、使えば使うほど神経細胞(シナプス)の繋がりが強化され、脳は柔軟でしなやかな状態になります。
例えば、人間関係のストレスで凝り固まった状態の脳に運動という刺激が入ると、その刺激に対応した神経細胞(シナプス)が活性化します。すると、悩んでいる神経細胞(シナプス)の働きが低下します。
そのため、悩み事や心配事がループしているときは体を動かした方が、脳が活性化して解消・解決方法が浮かぶかもしれません。
これが、運動によってストレス発散するということです。
神経細胞を成長させるものとして、BDNF(脳由来神経栄養因子)というものがあります。
これは、年齢と共に分泌量が減っていくもので、認知症に関わる物質として注目をあびています。
年齢以外にもストレスが多かったり、うつ状態が続くと分泌量が減っていきます。
ストレスが多いとストレスホルモンのコルチゾールの分泌量が増えて、記憶を司る海馬がコルチゾールで萎縮すると言われています。
なので、ストレスが多い時やうつ状態の時は記憶力や思考力・判断力が低下するのです。
しかし、このBDNF(脳由来神経栄養因子)が分泌されれば、海馬が肥大して認知機能が回復するという研究結果があります。
では、どうしたらBDNF(脳由来神経栄養因子)を増やせるのでしょうか。
その方法の1つは運動です。
体を動かすことで血流がよくなると、シナプス近くにあるBDNFが盛んに出てきます。
それ以外にも、IGF-1(インスリン様成長因子)、VEGF(血管内皮成長因子)、FGF-2(線維芽細胞成長因子)といったホルモンが出て脳に届き、BDNFと共に協力して脳を修復・成長させます。
アスリート並みのメンタルになるのは大変ですが、体を動かすことによってストレス対応が強化されます。
そのため、ストレッチやラジオ体操・ウォーキングなどから始めて体を動かす習慣をつけるとよいですね。
脳が活性化すればネガティブな思考のループも軽減して楽しい事に思考が働きます。
すると、行動力が促され運動量が自然と上がりいい流れになるでしょう。