更新日:2019.05.30
執 筆:整体師 田島健次
HSPの方は、とても敏感で多くの情報を脳でキャッチしてしまい、それが日常でストレスになり自律神経が乱れ体調不良に至る事が多いのです。
社会生活・人間関係でも器用に振る舞えないで悩んで自己嫌悪になり、余計にストレスを抱えてしまうケースがあります。
この様な方が、どの様な気持ちや行動を心掛ければストレスを溜めずに生活出来るかを考えて行きたいと思います。
重要な事は、自分の特徴・能力を理解するという事です。
生まれつき敏感な傾向がある方は、病気ではなく生まれ持った特殊な能力だと認識することが重要になってきます。
チェックリストを2つ載せていますので、もう一度テストをして頂き自分が敏感気質なのかを理解してみてください。
ここでもう一度、特徴をおさらいしていきます。
刺激に敏感である
感受性豊か
内的世界が強い
では、具体的にどの様にすればストレスを強く感じ過ぎず生活出来るかをみていきましょう。
HSPの方は敏感な神経を持っていますが、人によりどの神経が敏感に働くかはわからないので自己分析をすることをおすすめします。
自己分析とは自分を知るという事です。
「自分がどの刺激に対して敏感に反応するか」を理解していることで、日々の対策・対応がしやすくなります。
外的刺激の5感をまずは考えてください。
視覚 | 太陽の光、蛍光灯の光、パソコン、スマートフォンの光など |
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聴覚 | 不快なBGM、サイレン、工事現場の音、人混みのガヤガヤした音など |
嗅覚 | アロマオイル、他人の汗の匂い、香水、柔軟剤、本のインクの匂いなど |
味覚 | 辛い、苦い、甘い、しょっぱい、酸っぱいなど |
触覚 | 洋服の繊維、人の肌など |
自分はどの外的刺激に敏感に反応するのかを理解してください。
なんとなく分かっていたのではよくありません。
この刺激はダメと認識をして対策・対応をするだけでも、刺激のストレスを避けられれば神経の安定が得られます。
感受性が豊かで他人の影響を受けてします。
その対策に有効なのは、「自分と他人は違う人間だ」「相手の感情と自分は違う」という事実を、理解することです。
しかし、相手が感じることは自分も同じと考えてしまう傾向が強いため、自分が分からない状態に陥りやすくなっています。
心理学者のアドラーは「課題の分離」という理論を提唱しています。
「自分の問題と他人の問題を切り離す」と、言うことです。
人間関係のトラブルの問題は、この分離が出来ていないために起こることが多くあります。
1番大切な事は、程良い距離をとることです。
自分の感情が乱される・会っているととても疲労感を感じる人とは、毎日会ったり、近くに行かない事を心掛けましょう。
刺激は外だけではなく自分の内からも発生します。
仕事上の課題・期限・心配事・プライベートの不安・悩み・未解決の感情が沸き起こり怒り・悲しみが内的刺激となって、ストレスを生んでしまいます。
この内から出てくる刺激には「書き出す」ことで、対処しましょう。
頭で考えてまとめようとしても、思考と感情は堂々巡りをして、余計脳の刺激・ストレスになってしまいます。
すると、自律神経が乱れ、更にネガティブの思考に入るという悪循環に陥ります。
そのような状況に陥った時は、今ある懸案事項を書き出します。
それに対してできる対策・対応方法も書き出して、問題が終わったらかき消すなどをすると、問題が解決して物事が進んでいると感じて自己肯定感が増します。
心の傷・解決出来ていない感情なども書き出す事で、心の整理をしやすくなります。
心の傷や感情は、信頼出来る人に話したりすることも、刺激を軽減出来る有効な方法です。
もう一つ大きな問題は、ネガティブの思考に入りやすいという事です。
ネガティブ思考は悪い事ではありません。
ネガティブなお蔭で、大きく危険なストレスを回避出来たり、慎重な行動を取って失敗を回避出来たりします。
しかし、ネガティブの思考に捉われて、行動しない・自己否定感が強くなってはいけません。
ネガティブになりやすいと悩んでいると「プラス思考に考える」というアドバイスを貰うことも多いと思います。
しかし、体調が悪い時や悩みが多く落ち込んでいる時に、プラス思考に入るのは中々難しいですよね。
そういった場合に有効なのは、頭で考える「思考」ではなく、心と体に刺激を与える「感情」「感覚」をプラスにする方法です。
元々敏感なため、プラスの刺激を与えるだけでもネガティブ思考の悪いループから抜け出しやすくなります。
自分が好きな映画・お笑い番組・スポーツ・動物・赤ちゃんを観て「楽しい」「嬉しい」「笑える」「感動」「和む」などの「感情」を刺激します。
「感覚」では好きな心地よい音楽・落ち着ける匂い・幸せを感じる味・心地よい肌触り・一緒にいて安心感を得られる人。
「感情」「感覚」を刺激することによりネガティブの思考から離れられやすくなります。
敏感でストレスが多い人、ストレスが多く敏感になり体調不良になる人は、ストレスが多く自律神経が乱れ苦しんでいる人が多くいます。
そういった場合は、「安心・安全な逃げ場所を作る」ことが大切です。
自分の体と心がリラックスできる場所をみつけましょう。
例えば、
自分自身でリラックス出来るものを探して行動してみてください。
感受性が強い分、ご自身がリラックス出来る方法をみつけると、それはとても強い味方になってくれるでしょう。
非HSPの方々へ
周りにHSPの特徴をもっている人が家族・学校・会社にいる、親・先生・上司・社長の方々
コミュニケーションが苦手・行動が遅い・仕事が遅いと責めないでください。
HSPの人がいるだけで多くの利益がもたらされています。
場の空気を読み和ませ・人の気持ちを察し・細かい気配りが出来・丁寧な行動で大きな事故やミスを防ぐことが出来ます。
特徴を理解して、活かせる環境作りをお願いします。
HSPの方々へ
素晴らしい能力である、鋭い直感・豊かな感性・イマジネーション・共感力・優しさなどを活かして生きていきましょう。
重要な事は、刺激が起きない環境作りと安心出来る人間関係を築くこと。
そして、HSPである自分を理解して好きである事です。
参考文献
・「ささいなことにもすぐに「動揺」してしまうあなたへ。」
ソフトバンク クリエイティブ(株)
著者 エレン・N・アーロン
・「鈍感な世界に生きる敏感な人たち」
ディスカヴァー・トゥエンティーワン
著作 イルセ・サン
・「過敏で傷つきやすい人たち」 HSPの真実と克服への道
(株)幻冬舎
著者 岡田尊司
・「敏感すぎる自分を好きになれる本」
(株)青春出版社
著者 長沼睦雄